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凪待ち

「凪待ち」亜弓はなぜ殺されたのか?ネタバレありの感想で評価

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凪待ち

香取慎吾さんってどんなイメージを持たれていますか?

大体の人は明るくて、たくさん食べてお酒を飲むのが好きみたいな感じを想像するかと思います。

僕はバイオレンス系の映画ってけっこう好きでよく観るんですが、白石和彌監督作品で主演が香取慎吾さんという組み合わせを初めて聞いたとき、何故だかしっくりくるなと思ったんですよね。

ポスターや予告なんかを観ても、とにかく似合っているんです。

すごく陽なキャラクターの陰に、本質的な部分では陰の側面を持っているんじゃないのかなあと勝手に思っているわけなのです。

子供の時から芸能界で育ってきた方なので色々と大変な思いをしてきたのではないでしょうか。

そんな妙にしっくりくるダメ男が主役の今作「凪待ち」。

劇場で観たかったのですが、地域的な都合で観る事ができずに今回動画での鑑賞となりました。

ダメなんだよ俺は。死んだほうがいいんだよ!

予告で観てこの主人公の行く末がとても気になりました。

いったいどんな物語を見せてくれるのでしょうか。

よろしければお付き合いくださいませ。

映画「凪待ち」を観た感想

ダメでダメでどうしようもないやつだけどみんなが彼を気にかける何かがある。

周りに支えられて男は再生する道を手に入れた。

以下ネタバレがあります。

亜弓はなぜ殺されたのか?犯人の矛盾した行動を考えてみる

劇中で郁男の彼女である亜弓が何者かによって殺されてしまうというショッキングな展開と、その犯人が郁男に対して良くしてくれていた小野寺だったことにさらに驚きました。

ではなぜ小野寺亜弓を手にかけてしまったのでしょう。

亜弓小野寺は幼馴染で亜弓は地元のみんなのアイドル的存在でした。

小野寺の接し方をみていると当然亜弓に気があることは確かです。

そのことから郁男に対する嫉妬から亜弓を殺してしまったというには直接的すぎるのかなと。

小野寺郁男に対して何度も手を差し伸べる優しさを持ち合わせていました。

郁男がどん底まで落ちたときも必死に手を差し伸べてくれたことから、もともと優しくて困った人を放っておけない性格なのは間違いなさそうです。

気になったのは事件の真相が発覚して逮捕された小野寺が、郁男亜弓がいきたがっていた南の島の名前を知っていたことを告げるシーンです。

小野寺がそのことを知っていたということは、亜弓が小野寺に話していたわけですよね。

自分の夢を話すくらいだから、結構親密な関係だったかもしれません。

小野寺亜弓のお店の開店祝いに花を持ってきたシーンは何気ない感じがしますが、そういう仲だったのであればその開店資金も工面してもらっていたのかもしれません。

さらに亜弓は元夫から娘の養育費を受けとっていたのですが、郁男のことは伏せていた模様。

郁男のことを知られてしまうと養育費を出してもらえなくなるからです。

このことから亜弓という女性はなかなかにやり手というか、したたかな一面を持っていたようですね。

小野寺からしたらそこまで亜弓に好意を寄せていながら、実際は郁男という男を連れて帰ってきた亜弓に対して裏切られたという気持ちが芽生えてもおかしくはありません。

実際の関係は語られていないので動機はわかりませんが、そう考えると辻褄が合ってくるような気がします。

郁男に優しくしていたのも贖罪の気持ちからくる行動だったのかもしれません。

小野寺の最後に見せた表情が、何ともいえない感情を表していて、忘れられないシーンでした。

すべてが少しずつうまくいかなくなっていく絶望感

ギャンブル依存症の男が人生の再起を図り、恋人の故郷へ移り住むも結局ギャンブルからは抜け出せないまま、そして恋人の突然の死をきっかけに自暴自棄になり、さらに醜く堕ちていく彼を周りの支えもあり、微かな希望を残しなんとか再生していく様を描いた愛の物語でした。

恋人の故郷である石巻で、人生の再出発を試みる主人公の郁男

本来は優しくて純粋な心の持ち主なんですが、ギャンブル依存症という問題を抱え込んでいる。

変わりたいのに変われないという感情を溜め込むあまり、何か問題が起きると暴力に頼り破壊してしまう不器用な性格が災いするのか、何かとうまくいかないことの連続が、徐々に彼を自暴自棄の絶望に向かわせてしまうんですね。

就職した先の同僚の誘いで、一度はやめたギャンブルに再び手をだしてしまったり、そのことで上司に良からぬ遊びに付き合わせないでくれと疑われてしまいます。

さらに会社の金がその同僚が犯人なのに、自分が盗まれていることを疑われても潔白をきちんと証明できない

恋人との口論がきっかけで彼女は事件に巻き込まれて亡くなってしまうのですが、警察から犯人の疑いをかけられてしまい、自分の身の潔白をいうことができない。

せっかく真面目に生きようとしているのに、ことあるごとに問題が発生しては周りからの色眼鏡で見られることへの不満を暴力やギャンブルで解決しようとしてしまうんです。

どうして俺の人生こんなにもめちゃくちゃなんだという気持ちが、どんどん自分の環境をも圧迫していくことにつながっていく感じが、本当にじわじわと絶望感を煽られるんですよね。

見ていてイラッとしますし、もどかしさも感じて「あーなんでそこでハッキリしないんだ」と言いたくなりました。

お金や人間関係を自ら壊していっているようにも見えて、決してギャンブル依存症だけが郁男をダメにしているのではない闇を感じさせられた気がします。

変わりたくても変わる事ができない辛さ

人間そんなにすぐには変われないというのを体現しているかのようなダメダメな奴が郁男という男。

どうしてもギャンブルをやめられず、恋人の亜弓のヘソクリに手を出して全額注ぎ込んでしまう。

小野寺が貸してくれた生活費もすぐにギャンブルで溶かし、暴力団に借金までしてさらに全額使い込んでしまう。

借金を返すために、亜弓の父親の勝美が自分の船を売ってまで作ってくれた借金分のお金までもすべて溶かしてしまう愚かさ。

自分でも最低なことをしていると分かっていてもどうしてもやめられない、変わる事ができないんです。

それが依存症によるものなのか、うまくいかない人間関係による諦めが原因なのか、彼自身が何か行き詰まったときに必ずギャンブルの方へと傾いていってしまいます。

本当は控えめで優しい性格の持ち主なんですよね。

だからこそ信じていた人に裏切られたときに、激しく怒りをあらわにして暴走してしまうのではないでしょうか。

誤解を招いてしまう性格だから、疑われたりしてもしっかりと反論できないところなんかも損をしちゃってますよね。

僕もネガティブ思考なところがあるので、一度負のスパイラルにはまってしまうとどんどん後ろ向きになってしまうのは少しわかる気がします。

終盤、唯一仲の良かった川崎のギャンブル仲間のニュースを見て競輪賭場に殴り込みに行くんですけど、このときの彼の感情はどんなだったんでしょうね。

同じ境遇の友達が捕まったことに対する自暴自棄なのか、全く逆の自分の何かに火がついたのか。

ボロボロになった彼が、勝美美波と一緒に泣きながら帰り道を歩くシーンで、何を思っての涙だったのかしっかりとした理由はわかりませんが、胸が苦しくなるような気持ちになりました。

手を差しのべるひとたちがいる

側から見たらあまり関わりたくないくらいのろくでなしな郁男ですが、そんな彼に手を差し伸べる人たちがちゃんといるんですね。

一番は恋人の亜弓

カリブ海の島に行きたい夢がある亜弓に「いつか連れてってやる」という郁男の言葉を信じて、旅行のためにお金を貯めていました。

自分で貯めていたということは郁男には期待してなかったのかなとも思いましたがw

彼女はそのお金がくすねられているのを知っていながら、何も言わずに待ち続けていたんですよね。

裏切られても見放さないで、何度も手を差し伸べる亜弓の深い愛情には頭が下がります。

亜弓には郁男の根底にある優しさをわかっていたんでしょうね。

亜弓の父、勝美にしても郁男をせがれと呼び借金のお金を作ってくれたりするんですよ。

少なからず亜弓に対して、父親として満足に関わってあげられなかった自責の念があったかもしれない。

娘の美波もそう。

あの夜、口論から喧嘩しなければ自分を探しに外へ出なかった。

郁男もまた車から亜弓を降ろしていなかったらと自分を責める。

みんなが心に傷を負っていた中で赤の他人ではあるけれど、郁男を家族として見ていたのかもしれません。

郁男もまたそうしたいと思っていたはずです。

正直、郁夫がすぐにギャンブルをやめられるとは思えませんが、わずかばかりの希望を残し3人が家族としてもがきながら生きていくんだなと思わせてくれるラストだったと思います。

凪待ちを評価!

はまはま的評価     ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️     8/10

郁男にどうしようもなくイライラしてしまうんですが、同時にすごく優しい心の持ち主だということもわかるので、すごく応援したくなる自分がいました。

周りの支えがあって少しずつ再生の道を歩み始める郁男が大好きになりました。

鑑賞した方の評価

やはり香取慎吾さんの演技がすごいという声が多いようです。

普段の笑顔の慎吾ちゃんとのギャップがありすぎますからね。

どうしようもなく救いのない展開の連続ですが、最後に見せてくれる微かな希望の光に、温かい気持ちになれた方がたくさんいたはずです。

終わりに・・・

今回の主演を香取慎吾さんが演じていたわけですが、思っていた通り素晴らしい演技を見せてくれていましたね。

香取慎吾さんだったからこそ郁男のダメさがより伝わってきたし、もがきながら何度も立ち上がろうとする感じもすごく突き刺さりました。

この作品をきっかけに、白石組の常連になって欲しいなあと心から思いました。

白石監督の泥臭い人生の描き方や、家族とのつながりを大事にされていたりとバイオレンス描写以上に心に残る作風が大好きです。

観終わった後に前向きな気持ちになれるのがすごく良いですよね。

売れっ子監督さんなのでこの先いくつも白石監督作品が観れると思うと楽しみが増える一方です。

以上、ありがとうございました。

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    ABOUT ME
    はまはま
    初めまして。 はまはまと申します。 好きな映画やスポーツやエンタメなどについて書くブログを始めました。 語彙力がないヘタクソな文章ではありますが、いろいろと書いていこうと思います。 よろしくお願いします。