一度死んでみた
皆さんは映画を観るときに「ここを重視する」というものはありますか?
作品のジャンルで決める、好きな監督さんの作品だから観る、この役者さんが出ているから観る。
人それぞれで観ようと思うきっかけってあると思います。
僕自身は普段あまりコメディ作品を観ることがないのですが、予告で観る広瀬すずさんのメタル調なビジュアルの可愛さに見事にやられてしまいましたw
というわけで完全に広瀬すずさん目当てでこの映画を観ることにしたわけです。
でもこれって結構大事なことだと思うんです。
それだけ魅力のある役者さんが作品を良いものにも悪いものにもしてしまうんですから。
今回広瀬すずさんはコメディ初挑戦ということで、「ちはやふる」や「SUNNY」なんかではコミカルな部分も見せてくれていましたが今回は本格的なコメディ。
どんな表情を見せてくれるのか大変楽しみであります。
僕が好きな広瀬すずさんはどの役と聞かれるとどれも良くて選べないとなってしまいますw
「海街diary」の時のあどけなさなんかも好きですし、「三度目の殺人」ではシリアスな彼女を見ることもできました。
最近では「ラストレター」で見せてくれた一人二役もとてもよかったですよねえ。
なんだただのファンじゃん!という意見はスルーさせていただきますw
非常にライトなミーハーファンくらいにしておいてくださいw
なにはともあれ主演の役者によって作品の良し悪しが決まるといっても過言ではないと思いますので、今回はお目当ての役者きっかけという事で早速鑑賞してまいりました!
よろしければお付き合いくださいませ。
映画「一度死んでみた」を観た感想
めちゃくちゃダサいんだけどなんか耳に残るフレーズ。
ふざけた中にもほっこりする優しさもあるのが心地よい。
一度死ぬことで親子の愛を確かめることができた、少し緩めのハートフルコメディがすごく面白い良作だった。
以下ネタバレがあります。
ちょっと恥ずかしくなるくらいのダサさに不安だったけど・・・
母親の死の際も製薬会社の仕事に明け暮れる父親に愛想を尽かし何かと反抗する娘が、新薬の実験で一度死んでしまった父をきっかけに親子の愛を取り戻す、ちょっぴり心温まりつつもドタバタな展開や豪華な役者陣の軽快な芝居により笑いを誘う、とても観やすく楽しませてくれた作品でした。
冒頭、野畑七瀬が自分の父親が経営する製薬会社への入社面接から始まるのですが、会話の最後の「です。」がやたらと「デス!」なんですね。
面接官に悪態をついた次のシーンでは七瀬が組んでいるデスメタルバンドのミサ(ライブ)が始まります。
ここでバンド魂ズの曲を歌うんですが、これがまあ超絶ダサいんですねw
デスメタルなのにサイリウム降っているオタクがいるし、歌の歌詞もただの父親への不満を述べているだけみたいな。
広瀬すずさんの可愛さも相まって、まったく似合ってないというか聴いていてちょっと恥ずかしくなるくらいでした。
なので「この作品大丈夫か?」といきなり不安になってしまいましたね。
ただこの曲のデスデスデスデス♪というフレーズがなんか耳に残るんですよね。
一度聞いたら頭から離れないというか、ダサいんだけどずーっと連呼してしまう中毒性があるフレーズなんです。
こういったインパクトのあるフレーズっていうのは監督がCMディレクターとして活躍してきた実力が効いているのかなあと思いました。
そんな不安からのスタートを切ったわけですが、肝心のストーリーはというとこれもまた意外な親子の愛を描いたほっこり心温まる映画なんですね。
それに加えてちょいちょい挟んでくる小ネタが後から伏線として効いてくる展開がいくつもあったりコメディという割には結構しっかりしているのにびっくりしました。
父である計が七瀬にたたき込んだ元素記号のくだりや、ロッカーの中での着替えが得意なこと、宇宙への憧れなど、どうでも良いような話をふざけた感じで入れてくるんですが、これが後々重要な伏線になってきたりするんです。
細かいところの脚本が行き届いているなと後半になる程に感心してしまいました。
もちろんコメディなので基本ふざけてます。
そもそも二日間だけ死ぬ薬なんかなんで?と思いますし、死んだ後に三途の川まで迎えにきてくれる死神の火野がすごく面白いんです。
自分の遺体を挟んでふざけ合うところや幽体の状態を見れる七瀬とジェスチャーゲームが始まったりとめちゃくちゃです。
そして僕の好きなヒノノニトンが未遂ではありましたが見れた事に感動。
リリー・フランキーさんで火野ってもしかしてと思いましたが、まさにそうでしたw
他にも薬で若返った80歳の藤井さんに松田翔太さんなのもウケますし、存在感のない吉沢亮さんもありえない。
ただ一度死んだ人間を生き返らせるという設定からぶっ飛んでいるので、少々のことは気になりませんでしたね。
そうやってひたすらふざけ通してはいくんですが、父と娘の気持ちを確かめ合う場面では思わずグッとくるところもあって泣かせる要素も含んでいる。
笑って泣けるコメディとして非常にバランスが良かったんじゃないかと思いますね。
上映時間が93分とコンパクトにまとめられていたのも、テンポよく進められた作品になった要因かもしれません。
ではメインのコメディ部分についてどうだったかは正直好みが分かれるかもしれません。
ノリが合わないとずっと苦痛の時間になってもおかしくはないテイストなので好き嫌いは絶対出てくると思います。
個人的には大好きな笑いが詰まっている作品になりました。
失って初めてわかる大切なもの
コメディと謳っているからにはしっかり笑わせにくるのはもちろんですが、先ほども述べたように泣かせる要素もしっかりあるのが今作の良いところ。
母より仕事を大事にする父を見て以来、親子の関係はギクシャクとしてしまい何かにつけて反抗するようになっていった七瀬。
顔を合わせればクサイだの死ねだのと言いたい放題です。
父への反発からデスメタルバンドを組みライブで不満を曲に乗せて歌うんですが専門家には魂がこもっていないと指摘されてしまいます。
それもそのはず、デスメタルは父への反抗でやっていたに過ぎなかったので当然そんなものに魂がこもる事なんてありません。
バンドのメンバーにも本当にやりたいことはなんなの?と疑問に持たれてしまいます。
七瀬自身も本当は父の会社で働きたいことに気づいているはずなんですよね。
だけど母のことがどうしても許せなくて、素直になれない。
それが一度死んでしまった父をきっかけに2人の関係に変化が訪れます。
父の携帯に残されていた母宛のLineに自分への愛がたくさん書かれていたんですね。
「口にだして話さなきゃわかんないよ」と言いながらも七瀬の父に対する誤解は解けていきました。
父の方も火野との会話で「失ってからでないと気づけない」と話しているシーンにグッとくるものがありましたね。
そして告別式で父への想いを歌う水兵リーベの歌には、しっかりと魂がこもっていてとても素敵でした。
広瀬すずちゃん歌上手いじゃん!
ちょい役多めだが次々と登場する豪華キャストにテンションUP
今作のもう一つの見どころに5分に一度の勢いで登場する豪華キャストというなんとも贅沢な作りに仕上がっています。
基本的にはみんなちょい役なんですが、本当に次々と出てくるので油断していると見逃してしまうくらいでした。
特に佐藤健さんなんか一瞬です。
セリフらしいセリフもありませんw
妻夫木聡さんなんかは結構喋っていましたが、他はだいたいちょこっとだけです。
それでも矢継ぎ早に出てくる豪華な面々を見つけるだけで、なんだかテンションが上がってしまいました。
無駄遣いと言ってしまえばそれまでですが、そんなちょろっとでも皆さん存在感を発揮してくれていますので、それだけでも観る価値があるというものです。
個人的な希望を言えば、オタク役で出ていた駒木根隆介さんもキャスト陣に入れて頂きたかったw
駒木根さん大好きなんですよね。
映画「一度死んでみた」を評価!
はまはま的評価 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 7/10
笑いあり、涙ありの心温まる優しい作品。
なにげないネタが後から効いてくる伏線に、思わずうなってしまった。
しっかりとした脚本があってこそのおふざけが楽しい。
豪華なキャストのムダ遣いにも注目。
終わりに・・・
今回広瀬すずさんが観たいがためだけに鑑賞したわけですが、そんなことを忘れてしまうくらい面白い作品でした。
笑いあり涙ありの作品が好きなこともあり、自分の好みがドンピシャにハマった感じになりました。
テンポも良くて細かい伏線が後に効いてくる脚本にシビれましたし、ぶっ飛んだ設定のなかにもしっかりとした親子の絆を感じることができたのも良かったです。
本当に気を張らずに気軽な気落ちで安心して観に行ける素晴らしい映画だと思います。
今もやもやした世の中の状況ですがこの作品を観てスカッとした気分になれるのではないでしょうか。
ひとつだけ言いたいことがあります。
最後のシーンはあれいらないんじゃないですかね。
これだけに限ったものではないんですけど、なんか邦画って無理やりこういう感じに持っていきたがりません?
これこそ無駄遣いのような気がするのは僕だけでしょうか。
いや、決して嫉妬的なものではありませんからw
やっぱり広瀬すずさんは可愛かった!
以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。