AI崩壊
AIと聞くと人工知能が学習してくれて、使うごとに賢くなって便利になるというイメージがあります。
身近なところだと、iPhoneのSiriなんかが思い浮かびますね。
暇なときにSiriと会話してみると、意外と楽しかったりするのは私だけでしょうかw
最近はこのAIを搭載している製品がとても増えているんですよね。
お掃除ロボットなどの家電や自動車の自動運転は真っ先に思い浮かびますし、ソフトバンクのペッパーくんなんかも有名です。
そして今まさにこの記事を読んでいただいているあなた。
このような記事を読んでいただいてありがとうございますw
ネットで調べてこちらにたどり着いていただけたとは思うのですが、Googleなどの検索エンジにもAIが使われています。
現代の生活がより便利になり人間の代わりに助けてくれる頼りになるAIですが、賢くなりすぎるあまりに暴走して人間に危害を加えてしまうことはないのかと不安に思ってしまったことはないでしょうか?
今回鑑賞する映画は、そんなAIにまつわるお話です。
映画館で予告編を観た感じだと「ああ、いつもの大袈裟な邦画のやつね」くらいの印象で構えていたのですが、最後のスタッフ&キャストの欄を見てみるとそこには監督 入江悠という文字が!
思わすおお!マジか?と声を出してしまい、近くのお客さんにチラ見されたのは内緒の話w
とても好きな監督さんなのでこれは観るしかないいうことで今回の鑑賞に至りました。
それでは記事のスタートです。
映画「AI崩壊」を観た感想
そう遠くない未来、こういうことが現実に起こっても不思議ではないと思わせるリアリティがあった。
とはいえツッコミどころも多かったのはあまり気にしないでおこうw
以下ネタバレをしていきます。
AI暴走によって考えられる危険性
人々のライフラインとして機能しているAIが暴走を始めたら・・・というもしもの場合を題材に、テロリストとして疑われる開発者の逃亡と彼に協力する義弟、AIの暴走によってサーバールームに閉じ込められてしまう娘、最新技術のシステムを駆使して容疑者を追い詰めてゆく警察。
そしてAIに頼りすぎてしまった人々が命の危険にさらされてしまう様や、そのAIの進歩によって仕事を奪われてしまった人たちのデモや、現在よりさらに国民を管理しようと暗躍する権力者の陰謀。
こういったことが実際に起こってもおかしくないと思わせるような事態を丁寧に描いた作品に仕上がっていたのではないでしょうか。
まずは人の命を救うために作られた医療AIのぞみですが、これからの未来こういったデバイスは必ず出てくると思うんですよね。
何も手術の時だけではない、日常的にAIが健康を管理してくれるシステムっていうのはとてもイメージしやすかったですね。
この世界では医療だけではなく個人情報や交通機関までもが共有されているのも納得できる設定ですし、だからこそAIが暴走してしまったら人々の生活がすべてうまくいかなくなってしまい大混乱に陥ってしまうのも当たり前の話なんですよね。
便利すぎるが故の依存しすぎてしまう危険性がよく描かれているなと感じました。
またAI社会の発展によって人間の仕事が奪われてしまった人たちによる、大規模なデモ活動なんかも起きてしまっていて、すべてがいい事だけではない世の中なんだという描写も非常にリアリティがありました。
そして容疑者を追うために使われていた百眼という最新技術による操作にはすごいよりも怖いと思わせるものがありました。
街に設置された監視カメラはもちろん、個人のスマホのカメラや自動車のドライブレコーダーにまで簡単にアクセスしてしまい、その場ですぐに対象者の居場所を特定できてしまうシステム。
犯罪を未然に防ぐためとはいえ、個人のプライバシーを完全に無視した捜査は違法なものであるはずですが、当たり前のように行われてしまっているんですね。
このようなことがこれから先の未来に現実になってしまうのかと思うと非常に怖いことです。
スリリングな展開による逃亡劇は見応えがあるものの・・・
本作のメインとなっている部分が主人公の逃亡劇なので、とにかくスピード感あふれるスリリングな展開が目白押しになっています。
渋滞した高速道路からの逃亡から始まるんですが、単純にこれどうやって撮ったのかなあと思ってしまいましたw
そこから街の中へ逃げ回っていくのですが、百眼による監視能力によってすぐさま現在位置を特定されてしまって、桐生が逃げようと頑張ってもどんどん追い詰められていくんですね。
ただ寸前のところで桐生の機転を効かせた行動によって捜査網を回避していくわけです。
すぐに場所を特定するシステムは凄いけど実際捕まえるのは人なわけで、あと一歩のところで桐生に逃げられてしまう。
路地裏に逃げ込んだり、建設途中の地下道に潜り込んだりと追い詰めては逃してしまったりを繰り返すので、確かにドキドキハラハラな展開ではあるんですが警察官自体が無能すぎない?と不謹慎にも思ってしまいましたw
一方逃亡する桐生の方は、カメラの死角をついてトラックに乗り込んだり、逃げている間にも義弟の悟と連絡を取りあったり、修復プログラムを急いで作ったりと器用すぎる能力を発揮しておりました。
そして乗り込んだフェリーでもすぐに見つかってしまい、絶体絶命のなか海に飛び込んで奇跡的に脱出と生還に成功。
なんとか悟と合流するも、またも見つかってしまう追いかけっこを繰り広げます。
こうした公共の場での逃亡が緊迫した雰囲気をより引き出していて、なおかつリアリティを生んでいるのではないかと思わせてくれました。
AIに背を向ける人たち
今作ではAIによって仕事を奪われてしまった人たちのデモ活動が描かれていましたが、それ以外にもAIに対して否定的な気持ちを持った人たちが数多くいます。
まずは週刊誌の記者。
現在のAI社会に対して、人々はホントに幸せになったのかと開発者である桐生に疑問をぶつけます。
後にこの記者の仕掛けによって事件解決に向かうのですが、AIに対しては快く思っていないようです。
警察側にも否定的な人物がいます。
ベテラン刑事の合田京一は自分の足で捜査するのを心情に、ベテランならではの経験と勘で独自の操作を進めていきます。
実際彼の読みは見事に的中し、AIだけでは測りきれない感情のこもった捜査の大事さを感じることができます。
そして桐生がフェリーから飛び降りて海に逃げたあと、漁師さんに助けられることになるのですが、このとき漁師さんは新聞を読んでいて桐生が容疑者だということを知っていたうえで助けているんですね。
彼が作ったのぞみのおかげで、自分の親しい人物が長く生きることができた。
今はそのAIが暴走して世の中が大変なことになっているけれど、のぞみがなかったら今よりもっと命を落としていた人は多かっただろうし、彼のおかげで救われた命がたくさんあるのもまた事実なのだと。
その漁師さんの中にある良心のおかげで桐生は再び逃げることができたのです。
AIによって人と人との関わりが薄くなっている世の中ではありますが、人間同士の暖かな関係性の尊さについて描かれていたのがとても印象的でした。
人間にしかできない責任を取るということ
AIは非常に便利で人々の生活を豊かにしてくれるのは確かですし、今後ますます生活の一部となっていくでしょう。
ただAIを扱う以上さまざまな問題があるということも考えておかなければなりません。
今回のAI暴走は言ってみれば人が起こした人災のようなものです。
扱う人間によって素晴らしいものが途端に悪いものになってしまうという危険性があることを教えられました。
劇中では、人と機械が決定的に違うのは責任を取れるということと語っていました。
桐生浩介と望が自らの治療のためにのぞみを使わなかったのは、まだ法的に認められていない状況で医療AIを使うことに責任が取れなかったからだと思うんです。
結果的に妻の望は命を落としてしまうことになりますが、浩介は罪を犯すことはなく自らの責任を果たしたのではないでしょうか。
扱う人間がしっかりと責任を持ってAIと向き合っていかなければならないんですよね。
ラストシーンではAIと人間の関係性を親子に例えていました。
親は子を幸せにすることはできるのか?と同じだと。
AIも人も完璧ではないということ、どちらも人間次第なんだということをこの作品が教えてくれた気がします。
映画「AI崩壊」を評価!
はまはま的評価 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 6/10
いろいろツッコミどころ満載な内容に、物語に入り込みずらくなってしまった。
メッセージ性はすごく共感できた。
終わりに
今回邦画大作でしかも完全オリジナル脚本ということで、一体どんな作品に仕上がっているのかなと思い鑑賞しましたが、テンポも良くあれやこれやと続くスピード感あふれる展開など、エンタメ感満載の見応えあるパニックムービーだったのではないでしょうか。
細かいところを言うと結構突っ込みどころ満載な面もありましたけどねw
使われなくなった廃校に国家機密レベルの機械放置する?とか。
最後の鏡の反射、唐突に回収されたけどアナログすぎない?などちょっと笑ってしまったところもありましたが、ほんと細かいことなので気にしないことにしましたw
それ以上にAIものとしてすごく観やすい作品だったと思うので、ぜひ今作にはヒットしてもらいたいです。
そして入江監督好きとして、楽しい映画をありがとうございましたと言いたいですね。
ちなみにAI崩壊で主題歌がAIさんなのは狙ってたのかなーと思ってましたが、実際は全く関係ないらしいですw
つまらない文章になってしまいましたが読んでくださった方、ありがとうございました。